シアワセノウタ
□マナブコト
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「なんか落としたかな〜?」
ニアは楽しそうに倒れた魔物の周辺を見る。
「この魔物、薬草持ってるし!ラッキーだね!」
魔物の近くに薬草が落ちてるのを見つけ嬉しそうに笑った。
「ところで…セア?」
アルヴァはそんな様子のニアを見ながらセアに声をかける。
「何かな?」
「なんで唄わなかったんだ?」
アルヴァは少し冷たく言った。
「それは…イキナリ出てきてビックリしたし…」
「魔物はイキナリ出て来るモノだぞ。早く慣れろよ…」
アルヴァは落ち込んだセアを見て、少し優しく言った。
『唄は思いの力』
いつか授業で学んだ時にアルヴァはそう教わった。
唄は精神が不安定になったりすると威力が下がったりする。
「セアさんは魔物と戦うなんて初めてなんですから仕方ないですよ。そのうち慣れますよ」
レクトも優しく言う。
「うん。足手まといにはなりたくないから…頑張るね!」
セアは笑顔で言った。
「何の話してたの?」
ニアが先程見つけた薬草や魔物の牙とかを持って戻ってきた。
「ニアちゃん、わたし頑張るね!」
「?」
ニアは突然言われて疑問符を浮かべたがセアは笑顔のままだった。
「それじゃこの周辺で薬草探すか」
アルヴァが言うとセア達も賛成し、薬草を探し始めた。