短編・少年少女漫画
□東リベの一時的な夢
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解説:いちおう半間逃亡者ルートです。夢主は13歳の中一で。中一か…そうか…。
「………おい」
「なあ…」
「ヤマト」
「エッチしたい」
『は?』
「起きてんじゃん」
『うるさい』
「なあ、エッチしたい」
『うるさい、服着ろ』
「着ない。エッチするから」
『…』
風呂から上がって濡れた身体で先にしたかったことは、ヤマトに触れること。
綺麗な身体になって、気に入った女に触れたかった。
眠ってたヤマトは、マネキンみたいで傷ひとつなく白かった。
「ヤマト…」
『…』
抵抗はしない。
ヤマトは、抵抗しない。
愛する者がいないから、足掻く理由がない。
こんなつまんねえ女を抱くのは、ヤマトがマイキーと思い合ってたから。
たぶんだけど。
それだけで、身体の中心が疼いて熱を持つ。
「なあ…まだマイキーが好き?」
『…………なんで?』
「お前、好きだったろ?」
『わからない』
「今は?」
『わからない』
「…………ふひっ」
わからないとか言いながら、オレを見ないじゃん。
オレを見たら、何を思い出す?
あの時のことか?
お前が、マイキーに敵意を向けて睨んだあの時の。
「ひゃは!かわいいねえ…ヤマトちゃん」
『…殺すぞ』
「ん〜、もうちょい待ってな。稀咲と遊んでっから。全部終わったら、オマエに殺されてもいい」
『……』
さっきまでオレを睨んでたくせに、また遠くを見る。
首筋が綺麗だ、と思って舐めると肌が冷たい。
「いつまで、オレと住んでくれんの?」
『…特に決めてない』
「このままオレといたら、マイキーを裏切ることになるんじゃね?」
『なんで?』
「なんでって…」
『………』
まっすぐな黒目がオレを見ている。
日頃見れない眼差しに、また身体が疼く。
「………ふひひっ。その目、好きだぜ」
『もし、』
「ん?」
『もし私が佐野さんと会ってなければ、アンタは私に触ってなかった』
「………だろうな」
薄い服の肩紐をずらして、骨ばった肩に口付けをする。
力を入れたら赤く手形が付いて、すぐ折れそうなほど肉が歪む。
子供の細さ。女の柔らかさ。大人の静けさ。裏切り者の冷徹さ。
何もかもアンバランスで、おもしれえ。
「オマエは、マイキーに会ったことを後悔してんのか?」
『してる』
「ははっ!」
力強く勢いのある言葉に、腹から笑いが出た。
「オレはオマエに会えて嬉しいぜえ」
『…どうでもいい』
薄っぺらい胸に顔を埋めて、男と女の行為をする。
口数は少ないが、吐息と反応は多い。
体格差のある身体に挿入すれば、痛みと苦しみで顔が歪む。
『っ…っ…』
「おい、ヤマト…息しろぉ…」
『む、り…っ』
「ったく、オマエは慣れねえなあ…」
『もう、やめ…っ』
「やめねえ…あっちくて狭くて気持ちいいなあ…」
『くそっ…変態が…っ』
「あはぁ!オマエのそんな顔見れんのは、オレだけだろぉ?」
『ほかに…誰が…いんだよ…っ』
「いねえよなあ…ヤマトぉ…はあ…はあ…っ」
『あっ…ぁ…』
オレの動きが速くなれば、ヤマトの反応も増える。
こういう時に話すことは、本音だ。
誰が好きなのか。
何をしたいのか。
どう思ってるのか。
ヤマトは正直だ。
「ヤマト…ヤマト…っ」
『ぁ…っ…』
「オレを殺していいのは、オマエだよ…」
『……………あんたを殺したら、私も死ぬよ』
「え」
予想外の言葉に腰が止まる。
でもすぐに理解して、さっきよりも力強く腰を振る。
「んな…っこと、言われたら、やめらんねえよ…っ」
『あっ…あっ…』
「ヤマト…ヤマト…っ!」
愛してるぜ。
抱きしめながら、生理が始まってない子供の身体に射精する。
こいつはいつ、大人になるんだろう。
大人になったら、オレを殺して死んでくれんだろうか。
それとも、マイキーがそれを止めて奪われるんだろうか。
なあ、ヤマト。オレはオマエとマイキーがキスするところを見て、欲情したんだ。
あんな、ちゃっちいキスで満足するオマエらに仕込みたかったんだ。
オマエらが揉みくちゃにセックスするところを想像しながらオナニーしたんだ。
それを続けていく内に、オマエに恋したんだ。
オレがセックスしたいって思ったんだ。
オレがぐちゃぐちゃにしたいって思ったんだ。
「…………なあ、ヤマト。マイキーを忘れるなよ」
「そんで、オレを愛してろ」
「オマエなら…」
稀咲もおもしれえけど、それとは違う。
愛してる方の好きだ。
誰も、オマエに気づかなくて、心底よかった。
抱き疲れて眠るヤマトは、白かった。
マイキーみたいに、ちゃっちいキスをして、隣で眠る。
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