REBORN!
□欲情紅雫
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うだるような暑さの夏の日、どこぞの脳天気な野球馬鹿がスイカを片手にやって来た。
「こーゆーモンはボスであり頭である十代目の所へ一番にお持ちするのが礼儀ってモンだろーが」
と、嫌味を込めて受け取ると奴は
「はは、そう言うと思ってちゃんとここ来る前にツナんち寄って来たんだぜ。おかげで手ぇ痛ーしヘトヘトでよ、休ませてくんねー?」
一瞬躊躇したが、一応十代目に奉仕をしてきた様なので部屋の中へと促す。
扇風機を付け適当に選んだCDをかけると、
「へぇ、獄寺って洋楽聴くんだ。かっけーのな。なんて曲?これ」
「言ってもわかんねーだろ。歌手も歌詞もイタリアのだ」
「へぇー」
でもこの曲好きだな。と呟いて山本は勝手にベッドに寝転がり雑誌をパラパラとめくり始めた。
とりあえずコーラでいいか、とグラスを二つ用意しベッドボトルの中身を注ぎ氷を入れる。
「ほれ」
「お、さんきゅー」
片方のグラスを渡し山本の足元に座って、ごくりと俺が一口飲む間に山本はグラス一杯分一気に飲み干してしまった。