うえきの法則

□螺旋の空
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意識が戻ったのはそれからかなり時間がたった夕方。
案の定俺は保健室のベッドの上で。
すぐ横に、植木がいた。

「あ、コバセン目ぇ覚めた?大丈夫か?」

「…お前、授業は」
無愛想に俺は問う。答えはどうせわかっているけど。

「……さぼった」

やっぱりな。
だからこいつには知られたくなかったんだ。
どうせ朝からずっとここにいたんだろう。

「皆勤賞目指してるんじゃなかったのかよ」

「いいんだよ。どうせもう一回さぼっちゃってるし」

「そんな簡単に目標を捨てる奴なんざ俺の正義に反するね」

俺のせいでそんな事はさせたく無かった。例えどんな些細な事でも。お前の目指しているモノの邪魔になるような事は。

「簡単にじゃない。コバセンが倒れたって聞いたからじゃん」

すがるような眼をして続ける。
捨てられた子猫の様な声で。

「…すごい心配したんだぞ」

心臓を撃ち抜かれるってのはこういう時の事を言うんだろう。
たった今、身を持って知る。
現在進行形で。
持っていかれた。心臓を。わし掴みで。
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