うえきの法則

□螺旋の空
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ふわぁぁと遠慮のないデカい欠伸を細長い指でゆっくり覆う仕草とか。
足元に落ちてるゴミを見つける度に一々腰を屈めて拾う癖とか。

かわいいよなぁ。

心から、そう思う。
担任としてや元担当神候補と言う立場の贔屓目ではなく。
例え違う出逢い方をしていても俺はこいつに惹かれただろう。

「コバセン?どうしたんだ?ぼーっとして」

首を傾げながら上目遣い気味に問いかけてくる植木に
「何でもねぇよ」と、ぶっきらぼうに返してしまった。

言えるか。
お前に見とれてたなんて。

植木が一瞬眉間に皺を寄せた。
…しまった。今のはちょっと冷たかったか。

「何か今日のコバセンおかしくねぇ?具合でも悪いのか?」

…何でわかるんだよ。
さすが天然。
つい甘えたくなっちまうだろ。

「違うって。わりぃわりぃ。ただ寝不足なだけだ。気にすんな」

そう言ってにかっと笑ってみせる。
植木はまだ怪訝そうな顔をしていたが、一言、そっか。と言った。
その瞬間キンコンとチャイムが鳴りだす。
…タイミング良すぎだろ。漫画じゃねーんだから。

「じゃあな、コバセン。先行く」

「え、あぁ、おぅ。そうだな。遅刻すんなよ。ほら、森も…っていねぇし。いつの間に」

気を利かせたつもりだろうか。マジで気づかなかった。

「じゃあ、また後で。教室でな」

「ん」

こくりと頷いた姿がまた可愛いくて。
思わず校門のど真ん中で抱きしめるとこだった。
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