うえきの法則

□Love*parade
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「佐野、今日ヒマ?」

朝十時。いつもなら学校で二時間目の授業が始まっている頃。
だけど今日は。今日からは。

「夏休み初日やで?ヒマに決まっとるやん」

植木の突然の電話から一時間後。いつもの公園で待ち合わせ。
顔を合わせて俺の口から最初に出た言葉は。

「それにしても珍しいな。お前から誘ってくるなんて」

…あぁ、俺のアホ。もっと気ィ利かせた言葉無かったんかいな!
会うのが待ち遠しかったでとか誘ってくれてマジ嬉しいとか。

「まーな。たまには二人ってのもいいかと思って」

さらりと答える植木は、俺の内心がどんなに焦っとるかなんてきっと全く解かっとらんのやろうな。
まじ、心臓バクバクいってんねんけど。
二人やで!二人っきり!!めっちゃ嬉しい!
いつもみたいにさりげなく邪魔をする青髪少女や、俺らを見て勝手に変な想像働かせて「萌々ですわvv」とか言っとる逆ギレメガネ女や、俺のカワエエ植木をセコイ手で騙しよる上にベタベタ触りまくる猿顔野郎もおらへん。
たまになんと言わんと、俺は毎日でも二人で遊びたいねんけど。
なーんてさっきから頬の筋肉は緩みっぱなしで。
このまま勢いで手でも繋いでしまうかとか一人でニヤニヤ考えとると、携帯の着信が鳴った。
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