13vol.2

□お疲れ様ですライトさん
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【お疲れ様ですライトさん 1】





目が覚めて、出勤の支度をしようと洗面台の前に立つ
鏡に映る姿にしばし言葉を奪われた

「………ホープ何をしている?」

やっと出た言葉
しかし、鏡に映るホープの口が動き、その台詞を吐く
あり得ない現象


「ライトさん…おはようございます」

その後ろから、眠たそうに目を擦る…私!?


「どういう事だ!?」
ライトニングはパニックになり、目の前の自分に掴みかかる

「ライトさん!痛いですって……え。あれ?僕!?」
ホープは目を見開き、とてつもない剣幕で掴みかかってくる自分を目の当たりにする


後に、2人の絶叫が木霊した










「で…義姉さんがホープで…ホープが義姉さんで…」

スノウは混乱状態で頭を抱えた
目の前には、眉間に皺を寄せ機嫌の悪いホープと
おどおどと縮こまる義姉さん

信じられない話だが、今朝目覚めると中身が入れ替わっていたという
ルシにされた経験がるためか、2人はさほど取り乱した様子ではなさそうだ
しかし、原因不明そしてこの状態がいつまで続くのか?という一抹の不安は拭いきれないようだ

「とりあえず、私の方は無期限で休職する申請をした。溜まった有休もあったからな…消化も兼ねて承諾を得られた」

「えっと、問題は僕で………夏休み明け…明日からも普通に学校なんです」

「え……じゃあ…もしかして」

「…私がハイスクールに行く他ないだろう」

盛大なため息と一緒に頭を抱えていた

「大丈夫か?義姉さん……」

「う、うるさい」

「てかさ、素朴な疑問だんだけど……」

「なんだ?」

「風呂、どうしてんの?」

「スノウ…それ聞いてどうするつもりだ?」

立ち上がり、スノウの胸ぐらを掴むホープ(中身ライトニング)
ドスの利いたホープの声は、意外と怖かった

その横で、頬を染めて顔を手で覆うライトニング(中身ホープ)
まぁ、恋人同士である2人にソンなことを聞く方が野暮ってもので…










「あの、ライトさん…」

「大丈夫だ、内容はあらかた頭に入れておいた。極力目立たないように過ごすさ」

「ごめんなさい…」

「……私の顔で、そんな顔するな。気に病む事はない……留守番して待っていろ」

「は、はい」


と、自信満々に言ったはいいものの…
いざ教室を目の前にすると、なんというか……
ハイスクール出身ではないライトニングは、少々不安げに教室に入る
事前に教えられた席を目指して歩き出す

「おはよう、ホープ」

「…………」

「ホープ?」

「!?…お、おう。おはよう」

そうだ、私は今“ホープ”なのだ

「ホープ、早速で悪いんだけど、宿題見せてくれないか?」

「はぁ!?何を言っている…そんなものは自力でやれ」

「………………え…だって、約束」

「煩い黙れ…だいたいな、宿題を見せてもらおうという根性がな…」

言いかけて、ライトニングは止まる
ここでは“ホープ”を演じなければならない…と
言いたい言葉を飲み込んで、テキストの束をそいつに渡す

「次は自力でやれよ…お前のためにならない」

「あ、ありがと」

「分かればいい」

席に着き、これは先が思いやられるな…とため息を付いた
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