13vol.2

□貴方に言いたい事がある
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【貴方に言いたい事がある】



「え?」


電話越しだから、何かの聞き間違いだと思った
それでも、スノウは3度、同じ言葉を溢す


「ライトさんが?……居ない?」


その連絡が入ったのは
僕が父さんと再会してまもなく


「居ないって……どういう」

[どこにも…居ないんだ…。もちろんすぐに探した。騎兵隊の連中にだって声をかけた]

「行方不明、って意味…ですか?」


その問いに、スノウは短く返事をした
目の前が真っ暗になった
一体どうして…、今、ライトさんはどこにいるのか…
何故、誰にも言わずに消えたのか…
考える事はたくさんあるのに、ショックで思考が追いつかない


「ライトさんが…理由もなく居なくなるなんて。考えられないです」


きっと、何か理由が
それが解ればきっと…
コクーンが崩壊して、グラン=パルスに降り立って間もない今
彼女は何を思い、何のために…

その日、僕は珍しく夢を見た
それは、最後に見たヴィジョンにも似た
うららかな大地にみんなの笑顔
ヴァニラさんもファングさんも居て、誰一人として欠ける事のない、僕たちが望み、守ると誓った風景

そうだ…
僕等が見たヴィジョンは、まだここには無い


「まさか…ライトさん」


一人で…
いや、そこまで思考が単純な人じゃない…でも
でも…



信じるよ…おめでとう




もしも…
あの時の言葉に込められた意味が
何かを託す事だったとしたら…













「スノウ、僕は行くよ…」

[待て!俺も一緒に行くって!]

「スノウは、セラさんの側に居てあげて…」

[でも、お前一人で行かせるわけには!!それに、親父さんは!?]

「父さんには…もう、怒られたよ」


目を閉じて、昨晩を思い出す
あんなに真っ正面にぶつかったのは、久しぶりだった
でも、最後には笑顔で見送ってくれたんだ


「僕は、何かしたいんだ……なんでもいい、些細なことでも。例え無謀だと言われる事だとしても」

[ホープ…]


きっと、ライトさんや父さんは、僕に同年代の子たちと変わらない生活を送って欲しい
なんて事を願ってるんだと思う
悪いけど、僕の気持ちは、違うんだ
もしもルシにならなかったら、そう思っていたと思うけど

今の僕は違うんだ

勉強なんて…しようと思えばいつでもできる
ライトさんを追うのは、今しか
今じゃなきゃダメなんだ

「ライトさん見つけたら……怒ってやるんです」

少しだけ声が上擦った

「何も言わずに一人で行っちゃった事、めいっぱい……怒ってやるんです」

[連絡手段はちゃんとしとけよ…騎兵隊から情報入ったら、すぐまわす]

「分かってる」

[準備が出来たら、俺も向かうから]

「…ありがとう」

[水クセー事言うなって]


ほんとだね
それも、ライトさんに言ってやりたい

きちんと、お礼だってできていないのに
言いたい事がたくさんあるです
ライトさん

貴方の意志で行ってしまったんだ
僕だって、僕の意志で
貴方を追おうと思います

必要最低限の荷物と、父さんがくれた少しばかりの餞別
革のバックを背負い込み、僕は歩き出した









end

※FF13-2 Episode iより妄想の産物です。Episode iの解釈に間違いがあるかもしれませんし、展開はあくまで妄想ですので…悪しからず。

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