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□Flower
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【Flower】
ライトニングの引っ越しが無事に終わり、今日は生活用品を買いにショッピングモールへとやってきた
必要なものは全てメモしてきたつもりでも
意外と漏れが多く、買い物をしながら、
ホープがあれもこれもと思い出しては歩いていた
「ライトさん!一応、テーブル類は発送お願いしてきました。明日の夕方に届くそうです」
「そうか、すまない」
「いえ!……ライトさん、食器、買いました?」
「いや…。そうか…そうだな」
いつまでもデリバリーサービスを利用していて、すっかり忘れていた
「食器は…こっちです!」
テキパキ動くホープに、ライトニングは付いて行く
今日だって、本当は一人で済ませようと思っていた
けれどきっと、一人だったらこんなにスムーズに買い物は出来なかっただろう、と思った
「これ、いいんじゃないですか?」
「そうだな…大きさもちょうどいい」
シンプルな作りにピンクローズのラインが入った皿
フォークとナイフ、マグカップも色を統一し、1セットをカートへ入れる
「あ、あの!」
「どうした?」
「お…お客様用…は!?」
「お客様?」
「いえ、あの…その…なんでも、ないです!!」
慌てて下を向くホープ
その不自然さにライトニングは首を傾げる
「そうだな…いつ誰が尋ねてくるかわからない。セラやスノウだってくるかもしれないな…とりあえず今は、もう1セット買っていくか」
「そうですよ!!そうしましょう!!」
あぁ…そういうことか
なんとなくその意図が読めて、ライトニングはクスリと笑う
「お前が選べ」
「え!?」
「好きな色…選んでいいぞ」
「僕が選んで…いいんですか?」
「あぁ」
そう答えると、ホープは嬉しそうに食器を眺める
「じゃあ!これで!」
いいながら差し出したのは、ライトグリーンのラインが入った皿だった
その色に合わせて食器を入れていく
会計を済ませ、梱包待ちをしていた
ふと、インテリアショールームに目をやると
丁度買ったばかりの食器セットが二人がけのテーブルに綺麗に並び、ライトアップされていた
料理のレプリカも本物の様に盛りつけられている
「わぁ…」
ホープは食器を使うと、こんな風景が見られるのだ。と
感動した
「なんだか、花畑を見ている気分です」
「花畑?」
「ライトさんの食器がピンクで花。僕の食器が緑で葉っぱです」
僕の…食器?
「ぅわあ…すみません!!違うんです!!今のは…間違って…!!僕が…その、お邪魔した場合は。であって…えっと///」
「お前が使うんだ。間違いじゃないだろう?」
ライトニングは笑いながら、そのインテリアショールームのイスを引いて腰掛ける
その後を嬉しそうに追いかけて、ホープも向かい合い腰を下ろす
「へへッ」
「何だ?」
「いつかライトさんが作った料理をこうして食べられたらいいな〜って」
「私の、料理か?……期待するな…………努力は、する、が」
「嬉しいです」
テーブルに食器が並べられていく
それからナイフ、フォーク、マグカップ
全て色違いのお揃い
「ホープ!盛りつけるぞ」
「はい!」
今では
寄り添う花の様に2本の歯ブラシが並んでいる
それも色違いのお揃い
グラスも、クッションも、バスタオルも…
ホープ、専用
end