13

□Flower
1ページ/1ページ

【Flower】


ライトニングの引っ越しが無事に終わり、今日は生活用品を買いにショッピングモールへとやってきた
必要なものは全てメモしてきたつもりでも
意外と漏れが多く、買い物をしながら、
ホープがあれもこれもと思い出しては歩いていた



「ライトさん!一応、テーブル類は発送お願いしてきました。明日の夕方に届くそうです」

「そうか、すまない」

「いえ!……ライトさん、食器、買いました?」

「いや…。そうか…そうだな」

いつまでもデリバリーサービスを利用していて、すっかり忘れていた



「食器は…こっちです!」

テキパキ動くホープに、ライトニングは付いて行く
今日だって、本当は一人で済ませようと思っていた
けれどきっと、一人だったらこんなにスムーズに買い物は出来なかっただろう、と思った



「これ、いいんじゃないですか?」

「そうだな…大きさもちょうどいい」

シンプルな作りにピンクローズのラインが入った皿
フォークとナイフ、マグカップも色を統一し、1セットをカートへ入れる

「あ、あの!」

「どうした?」

「お…お客様用…は!?」

「お客様?」

「いえ、あの…その…なんでも、ないです!!」

慌てて下を向くホープ
その不自然さにライトニングは首を傾げる






「そうだな…いつ誰が尋ねてくるかわからない。セラやスノウだってくるかもしれないな…とりあえず今は、もう1セット買っていくか」

「そうですよ!!そうしましょう!!」


あぁ…そういうことか
なんとなくその意図が読めて、ライトニングはクスリと笑う


「お前が選べ」

「え!?」

「好きな色…選んでいいぞ」

「僕が選んで…いいんですか?」

「あぁ」

そう答えると、ホープは嬉しそうに食器を眺める

「じゃあ!これで!」

いいながら差し出したのは、ライトグリーンのラインが入った皿だった
その色に合わせて食器を入れていく






会計を済ませ、梱包待ちをしていた
ふと、インテリアショールームに目をやると
丁度買ったばかりの食器セットが二人がけのテーブルに綺麗に並び、ライトアップされていた
料理のレプリカも本物の様に盛りつけられている

「わぁ…」

ホープは食器を使うと、こんな風景が見られるのだ。と
感動した

「なんだか、花畑を見ている気分です」

「花畑?」

「ライトさんの食器がピンクで花。僕の食器が緑で葉っぱです」






僕の…食器?






「ぅわあ…すみません!!違うんです!!今のは…間違って…!!僕が…その、お邪魔した場合は。であって…えっと///」


「お前が使うんだ。間違いじゃないだろう?」


ライトニングは笑いながら、そのインテリアショールームのイスを引いて腰掛ける
その後を嬉しそうに追いかけて、ホープも向かい合い腰を下ろす


「へへッ」

「何だ?」

「いつかライトさんが作った料理をこうして食べられたらいいな〜って」

「私の、料理か?……期待するな…………努力は、する、が」

「嬉しいです」

























テーブルに食器が並べられていく

それからナイフ、フォーク、マグカップ

全て色違いのお揃い


「ホープ!盛りつけるぞ」

「はい!」


今では

寄り添う花の様に2本の歯ブラシが並んでいる

それも色違いのお揃い

グラスも、クッションも、バスタオルも…

ホープ、専用




end

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ