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□Warp
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【Warp】



何着もの服の前で、ホープはうなっていた
その状態で、もう30分は経つ
バルトロメイは心配になり顔を覗かせる


「ホープ…時間はいいのか?」

「うん、3時間早く起きたから、まだ平気」

「そうか…ならいいんだが。デートで彼女を待たせては。と思ってな」

「な!?…別に、デートなんかじゃ……それに、ライトさんは…彼女、じゃ」

「ライトさん?…あぁ、あのときの人か」

「い、いから!!父さん、用がないならあっち行ってて」


顔を真っ赤にして叫ぶホープを微笑ましく思いながら、バルトロメイは部屋を後にした


「よし、これに決めた!」










明日、急遽休みが入った


ライトニングからその知らせを受けて、ホープは急いで翌日の天気を調べる
どうやら明日は晴れらしい


明日、どこかへ行きませんか?


その返事はOKの2文字
嬉しさが溢れ、ホープは小さくガッツポーズをした







今日は約束の日
ただそれだけで特別な日になる

デート日和の快晴
ただそれだけで嬉しくなる




できるだけのオシャレをして、エアバイクのエンジンを起動させる

「ライトさん?僕、今から出ますから…あと、20分で着くと思います」

「20分?」

「はい!」

「…ホープ、その音。エアバイクか?」

「待っててください、今すぐ迎えに行きますからね」

「あぁ、気を付けるんだぞ」

「はい、大丈夫です」

ホープは勢いよく走り出した






初めて自分用のエアバイクを買ってもらった
この後ろに、大好きなあの人を乗せて
ドライブするのが夢だった

長い信号待ちに、ライトニングとの会話のシミュレーション
連れていきたい場所がたくさんある

ライトニングの事を考えるだけで
こんなにも幸せな気分になれる

流れる景色を眺めると
全てが幸せ色に変わっていく







「お待たせしました」

「時間通りだ」

久しぶりに見たライトニングの私服姿

「ライトさん、今日もかわいいです」

思わず口に出すホープ

「そ、そうなのか?…お前も、その、いい服だ」

困惑した様子で、ライトニングは言葉を詰まらせる



「ライトさん、そこは“かっこいい”って言ってくださいよ。服だけ褒められても…」

「うるさい、さっさと降りろ」

「どうして?後ろ、乗って下さい」

「私がか?」

「当たり前じゃないですか!ドライブ行きましょう!さ、乗って!」

ホープに腕を引かれ、ライトニングは少し強引に後ろへ腰を下ろす


「ちゃんと捕まってください」

「わ、わかっている!」

ライトニングは照れながらホープの身体にしがみつき、腕を回す
ホープがその腕に、添えるように左手を乗せた






「今なら、ワープだってできそうな気がするんです、僕」


エンジンを一度大きく吹かし
風を切って走り出す




きっと、特別な1日が始まる




end


Reference tune/Super Scooter Happy

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