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□道標
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【道標】
真っ暗な絶望に沈んだとき
遙か遠くに一筋の光が見えた
一瞬だったけど、見間違えなんかじゃない
今でも瞼の裏に焼き付いている光の残像
恐かった
でも、その光を頼りにする以外
この闇から抜け出す事ができない気がして
くじけそうになったとき
僕はその閃光を頼りに進み続けた
「コクーン全土のファルシをコントロールする。ファルシ=エデン。それを支える膨大なエネルギーのかたまり、ファルシ=オーファンも、あそこに…」
今まで、コクーンに住みながら知ることの無かった中枢
そして、これからも、知るはずのなかった場所
「作戦は?」
ファルシ=エデンを仰ぎながらスノウは言った
この苦境にわずかな笑みを浮かべる
「正面突破以外、何がある?」
即答だった
迷いのない、潔い声色
「おい!正面って、姉ちゃん!よお!」
サッズは驚きの声を上げ
スノウとヴァニラも、進み出すライトニングに戸惑う
僕の、道標
僕は進み続ける
追いかける意志に、迷いは無い
「ライトさん、行きましょう」
「頼もしいな…お前は」
一瞬、互いに笑みが宿り
武器をかざす時には鋭い眼光へ変わっていく
僕は進み続ける
この胸に、確かな希望を抱いて
願うだけじゃない
誓ったから
end