過去の過ち
□君を救いたい
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俺の街では、自殺する者達が増えている。
今朝に来た、新聞の片隅にも載っていた。
親しかった友も、いつの間にか逝ってしまった。
何故に、こうも人は消えてゆくのか…。
不安と孤独に、押し潰されてゆく末は…。
待ってるのは、死だけなのだろうか…。
俺もその内の一人。
いつかは、死ぬ時が来るだろう。
今更、怖いものなんて何も無い。
でも、その前に行かなきゃ。君に会いに、行かなきゃ。
君を救いに、行かなきゃ。
冷たい雨が、俺の心を震わせる。
不安な心も、更に酷くなってる。
俺は、間に合うのだろうか…。
日が暮れる頃に、やっと着いた彼女の家。
ドアには、鍵が掛かってなかった。
俺は、急いで彼女の部屋へ入って行った。
でも、遅かった…。
彼女は、ベランダで首を吊っていた。
守れなかった俺は、何しに此処に来たんだ?
何故か涙は、出なかったけど。
俺の心は、罪悪感と絶望感に襲われていた。
でも、俺は彼女が帰って来るのを待っている。
来ないと解っていても、俺の体は動かない。
只俺は、待つだけ。
それが、俺の…
最期だ………