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□*操り人形
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「やっぱりお前は女みたいだなぁ」
一糸まとわぬ姿で立つ蝉を見て、岩西は言った。
「その長い髪も、白い肌も…もったいねぇくらだ」
岩西は蝉の後ろに回りこむと、その形のいい尻に触れた。
蝉は身を引き、デスクに手を付いて、岩西に腰を突き出す姿になってしまった。
「変態が」
恥辱に身を染めた蝉は、ギュッと唇を噛むことしか出来ない。
「あぁ?何か言ったか」
岩西の手が、パンッと尻を叩く。
その手はゆっくりと腰をなぞり、長い髪の下の、首筋に触れた。
岩西の冷たい手のひらが身体に触れるだけで、ゾクゾクとした感覚が競りあがってくる。
これは岩西の遊び。
暇を持て余した男の遊びでしかない。
「蝉、お前は俺に飼われてるんだぜ?わかってるよな」
「…くッ……」
本当なら殴りかかりたい。
いっその事殺してしまいたい。
だけど、そうした後の自分が知れない。
恐いのだ。
岩西がいなくなった世界など、どんなに皮肉を言っていようが、蝉には考えることが出来ない。
だから、従うしかないのだ。
俺は――操られている。
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