Novel
□美女と宝石と
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フランスはパリから、不二子からの連絡があったのは昨夜のことだった。
ルパンが前から探していたダイヤモンド『オーロラのしずく』の在処がわかったらしい。もちろんルパンは大喜びした。そりゃもう、電話の向こうの相手にキスの嵐をするほどに。
不二子の話によれば、その持ち主はエラい金持ちの社長で元貴族だとか。
『で、その社長さんが今度パーティやるんだけど、ちょっと問題があるのよね』
電話越しからのキスを鬱陶しそうにしながら不二子が言った。
「大丈夫大丈夫☆そのパーティにこっそり侵入して、パパーッと盗って来れば良いんでしょ?何の問題も…」
『明日なのよ、そのパーティ。頑張ってねv』
ルパンの話を遮って不二子は言った。
「あ、明日ぁ!?いくらなんでも準備が間に合わな…」
『一応パーティのチケットは取ってそっちに送っておいたから、明日には届くと思うわ。急だったから、二人分しか取れなかったけど……何とかなるでしょ☆』
じゃあね☆、とルパンが止める間も無く電話は一方的に切られてしまった。片手に受話器を持ったままルパンは途方に暮れる。
忍び込むには準備の時間が少ない。少な過ぎる。でもダイヤは欲しい。
どうしたもんかとルパンは頭を捻る。取り敢えず相棒二人を呼んでから考えようと再び受話器を手にした。
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