Novel

□悩み事
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最近相棒の次元の様子がおかしい。


仕事の話をしても上の空だし、急に変な動きをしたりと何だか挙動不審だ。

仕事となればしっかりするだろうと思っていたが、肝心なところでミスをする。この前は死にかけた。

いい加減なんとかしないと命に関わる。

オレは五右ェ門が出かけたのを見計らって次元に問いかけた。


「なぁ、次元?」

「………」


ほら、コレだ。

相変わらず上の空。全然オレの声耳に入ってねぇの。

次元は何事も無かったようにソファに寝転がってタバコをふかしている。

何だか腹が立ったオレは次元の耳元で大声を出してやった。


「じげ――――ん!!!」


次元はソファから盛大にこけた。ざまぁみろ。

すぐさま次元はオレに食って掛かってきた。

「耳元ででけぇ声出すんじゃねぇよ!!鼓膜破れるかとおもったじゃねぇか!!」

「普通に呼んでも反応しないんだもん。最近次元ちゃん変よ〜?」

やれやれとわざと呆れたように首を振った。

オレの言葉に次元は固まっていた。何を考えていたんだか。五右ェ門じゃあるまいし、瞑想ではないことは確かだ。

「何か悩み事があるなら聞くぜ?」

未だにこけたままの姿勢の次元に優しい言葉をかけてみる。よりかかったソファがみしりと音をたてた。

「……」

ん?よく聞こえないよ、次元さん。
ソファの軋む音で聞こえなかったとかどんだけ小さい声なのさ。

黙っているオレに次元は再び口を開いた。


「……最近…五右ェ門の周りに百合の花が見えるんだ……」


とりあえず、次元。
それは一種の病気だと思うよ、オレは。

あぁ、聞かなきゃ良かったと思っても時すでに遅し。そんな救いを求める目で見るなよ。

とにかく何とかしないと仕事も出来やしないんだ。
しかたなくオレは次元の悩みを解決すべく頭を働かせた。


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