頂きモノ小説
□小数点ナチュラル
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「次元は色っぽい」
何を言うお前の方が色っぽいとばかりに膝の上の男に視線を下ろすと、俺の鎖骨をしげしげと見つめる五右ェ門が眼に入る。
過ぎた行為に腰がくだけた五右ェ門は風呂に入りたいと我が侭を言い、俺に身体を洗わせる事で満足した。(最もそれを口実に多少楽しませて頂いたので文句は無い)
浴槽に浸かった俺の膝に座る五右ェ門は、俺の視線を感じ取ったのかふっと顔を上げる。
至極真面目なその顔に冗談の色を見付け出すのはおよそ不可能で、とすれば先程の言葉には欠片も含みは無かった事になる。
「うわ、そうだよな、お前そういう奴だもんな」
「何だ、突然」
お前真面目にそういう事言うもんな、と上気して色付いた肌にキスを一つ。
「ッ…はァ、悪いか」
「そうじゃ無ぇけどよ」
既にいくつも赤い痕が散った肌に更にキスを落とすと、五右ェ門は身を震わせて呟いた。
「…なら良い、だろう。俺はお主が好きなんだから」
「うわ、」
もう、可愛くて堪んねぇ。
勝ち誇った笑みを張り付けたその唇に、優しく吸い付く。
ん、と甘えた声を伴い五右ェ門の腕が背に回された。