Novel
□美女と宝石と5
4ページ/4ページ
せまい排気口の中はススで真っ黒だった。もちろん中を這っているルパンも全身真っ黒になりながら進んでいた。今羽織っている真っ赤なジャケットの汚れはなかなか取れないだろう。ルパンはうんざりした。
「……お久しぶりな声ですこと…」
進むにつれてだんだんはっきりと聞こえてきた声にルパンは更にうんざりした。
銭形だ。
どこで嗅ぎつけてきたんだか…。
「いやぁ!この銭形、不肖ながら精一杯警備させていただきますぞ!!」
「…ですから警備の方は心配要りません。どうかお引取り願いたい」
「そうだよ、銭形君。これ以上は余計なお節介になる」
頑固として警備を申しでる銭形を上司が止めに入っていた。ロンは不機嫌丸出しの表情だ。
ふ〜ん…とっつぁんはダイヤの場所知ってるってことか…。そんでもって警備する気マンマンなわけね。
銭形達が廊下に追い出される様を聞きながらルパンはススだらけの顔を拭った。ポケットからキリを取り出し、小さな穴を開けた。ソコから中の様子と覗く。
「しかし、上官!!すでに応援の要請や、ヘリの準備も整って……!!」
「また君は勝手な事を!!すぐに誤報だったと伝えるんだ!!」
銭形は必死に上司を説得している。しかし、警察としてもこれ以上大企業を相手に怒らせるのは得策ではないのだろう。上司はすでにこの件から引くことにしているようだった。
絶対諦めて溜まるか…!!
銭形の目は燃えていた。
「失礼します!!」
敬礼をして銭形は走り出した。後ろから上司の怒号が聞こえるがかまっていられない。無線のスイッチをいれて部下に伝えた。
「さっきの司令どおり、増援とヘリ頼むぞ!!必ずルパンは現れる!」
『…警部はドラッグの調査にいったのではなかったのですか…!?』
少し困惑した部下の声。
「うるへぇ!そんなの後回しだ!!」
部下を一喝して銭形は外に出た。冷たい空気が興奮して火照った体に心地よい。
来るならきやがれ…!
銭形はヘリと増援を待った。
「そんじゃ、オレも待ちますかね」
ルパンは銭形の後姿を見ながら、不敵な笑みを浮かべていた。
とっつぁん熱すぎですね!
今回ページ少なくてすいません…!!
難産でした…・゚・(ノД`;)・゚・
文才ほしぃ………。
2008/02/14