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□留守番の代償
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扉を開けたら、
「うわ―、青春真っ盛りの女が借りたDVDがスプラッタ物だけってなんだか物騒だねぇ。だからいつまで経っても彼氏が出来ないんだよ」
「折原さん何故いる、そして帰れ」
レンタルDVD屋から帰ってきたら彼が優雅にソファで寛いでいた。人に失礼な言葉のオンパレードしておいてけらけら笑ってんじゃないよ。
しかも何故借りたDVDの内容を知っている。
「なんで勝手に部屋に入ってんですか」
「鍵が開いてたよ。馬鹿だなぁ」
「うっさいです」
馬鹿って、この野郎。言われ馴れた感じがなんだか虚しい。
しかし悔しい事にそういえば鍵閉めたか記憶がない。でも何故人ん家で寛いでいる。
連絡ならこっちが何回アドレスを替えようとも、ケータイを替えようとも、嫌がらせの如く連絡してくる癖に。
あ、昨日お隣りから貰ったケーキまだ食べてなかった。ラッキー。
「あ、早くケーキ用意してよ。帰ってくるの待ってたらお腹空いてきちゃった」
「………」
…後頭部に目でも付いているのか?
テレビのチャンネルを替えながら私の考えを読んだようなグッドタイミングで言い放った折原さんに少しばかり恐怖を感じた。
「お仕事はいいんですか?忙しいんでしょう?早く帰った方がいいんじゃないですか」
「折角貴重な時間を割いて留守番してあげたのに恩人にそんなこと言っちゃうんだ」
「不本意ですが留守番はありがとうございます。もう帰って頂いて大丈夫ですよ」
「パソコン持ってきたから依頼の整理も出来るし、今日泊まってくから」
「言葉のキャッチボールゥゥゥ!」
ふ と思った。
きっとこの人がいるから彼氏どころか男友達すら出来ないんだろうな、と。
留守番の代償
(しょうがないから今夜一緒にその悪趣味なDVDを見てあげるよ)(いえ、一人で大丈夫ですよ)(寂しい女だねぇ)(厭味を言いに来たんですか畜生)
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この二人に甘い雰囲気は無い。でもこれぐらいが自分は好みです。
折原さんは疲れたら勝手に理由を付けて勝手部屋に上がってに寛いでいると良い。
休みに来てるのがなんとなく解るからヒロインもなんやかんや追い出せない。
でもやっぱり折原さんは見えないところでヒロインへの独占欲は遠回しだけど強い。
………これ…誰?←結論
本物と掛け離れすぎた妄想の結果がこれだよ
!/(^O^)\
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