過去・拍手・その2

□白馬の病気ネタ
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ぼくは病気で、もうまもなく、今までと同じような行動がとれなくなるそうです。
今日より明日、明日より明後日。
ぼくの頭の中から、何かがこぼれていく。
「よお、白馬。元気にしとるか?」
この人は、昨日も来てくれました。
名前は、はっとりへいじという人です。
「こんにちは」
「おっ。今日は顔色もええやん」
にこにこと笑いながら、イスに座りました。
この人は、いつもにこにこしています。とてもいいことだとおもいます。
「美味そうなイチゴ持ってきたからな。ばあやさんに渡しといたから」
ばあやは、ぼくのおせわをしてくれている人です。
とてもやさしい人です。
「ありがとうございます」
「それと、今日は、他に土産があんねん」
あんねん?
へいじくんは、むずかしいコトバを使います。
「そうそう。これこれ」
へいじくんは、おおきな本を見せてくれました。
きれいなお月さまのしゃしんの本です。
「色んな月が載ってる写真集や。オマエ、月が好きやって言っとったからな、アイツ」
へいじくんは、かなしそうな目をしています。
なぜでしょう。
「そうそう、工藤が後で来るって言っとったわ」
くどう?だれでしょうか?
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