夢物語2

□AM4:00さま企画提出
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誰も居ない教室に、あ
たしと真田くんで2人
きり。一応真田くんと
は彼氏彼女な関係です


「あと少しで、部活始
まるね」      
「あぁ」      


今日は中間テスト1日
目で、12時まで学校
だった。部活は1時か
らだから今はこうして
お昼を食べていたとこ
ろ(何とあたしの手作
り弁当なのだよ)  


「頑張ってね」   
「無論だ。弁当美味か
ったぞ」      
「ありがとう」   


部活まであと20分。
着替えたりしなきゃい
けない訳だから、もう
真田くんとはサヨナラ
だ。本当は待っていた
いんだけど残念ながら
図書館は閉まっている
。今から7時ぐらいま
でする事もないあたし
はやっぱり帰るしかな
いんだよね     


「ではな、気をつけて
帰るんだぞ」    
「うん、分かってる」


真田くんはあたしの頭
に手を置き、髪を撫で
ると背を向け歩き出し
た。その温かくて大き
な手があまりに優しく
あたしの髪を撫でるか
ら、行って欲しくない
と願ってしまう   


「あ、」      


引き止めようと手を伸
ばしたが、迷惑になる
だけだと引っ込めた。
その時、


「ん?どうした?」 
「!」       


引っ込めたはずの手首
を掴まれ、何時も見せ
ない優しい瞳を向けら
れた。…まるであたし
がそうする事を分かっ
ていたかの様に。掴ま
れた手首が熱い、そん
な事されたらもう止め
られないよ     


「あ、あの」    
「何だ」      
「ぎゅって、して欲し
いな、なんて」   
「…たわけが」   


そのまま手首を引っ張
られ、半ば倒れ込む様
な形で真田くんの胸へ
と引き寄せられた  


「何故もっと早くに言
わんのだ」     
「だって、迷惑かける
かと」       
「迷惑なんて思うな、
それに…」     
「それに?」    
「な、何でもない!」


さっきまでのクールな
態度とは反対に、照れ
た顔を見せない様あた
しの頭を思いっきり胸
へと押し付けた。そん
なとこも可愛くて好き
だと言ったら、彼はき
っと怒るだろうな  


(それは甘い甘い放課
後のお話)     





080929
AM4:00さま企画提出


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