□目覚ましカンタータ
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のらり くらり 歩いてくるのは
ゆらり そろり 足音忍ばせているけど
じつは すでに 正体はバレている


「君じゃなきゃ忠告せずに噛み殺してやったんだけど…」
「!」


起きてたのっ、なんて目をまん丸くして
それでも可笑しそうにケラケラと目を細くする
そんな仕草が、オンナノコらしいなと
僕ながら思う(こんなこと思うなんてセクハラかな?)


「…で?」
「ん?」
「……君から来といて、首傾げるのはないんじゃないの」
「あー、そうよね」


眠りが浅くたって起掛けは意識だって微睡むもんで
体を起こすのも億劫だと体制もそのままに
なかなか進行しない会話に身を投じてみる。


やわり ふわり 投げ出した手に触れられて
びくり どきり なんでもない振り
けれど きみは 惜しげもなく頬を紅潮させるから


「一緒に寝ても良い?」
「ダメだよ」


断った きっぱりと まるで断罪の様に
だめだよ 僕はもうすっかり覚醒しているんだ



"責任序でにデートでも如何、おぜうさん
 

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