novel
□おもかげ
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「…分からない」
「えっ?」
「分からない…何故ここに居る意味とかそう言う理由が……」
「レイ…」
レイの表情は、まるで生死を彷徨っている感じのような…
辛い過去を背負った顔色をしていた。
「そう言うキラは、何故アレに乗っている?」
「好き好んで乗ってるんじゃないんだ…」
そう…好きで乗ったんじゃない…
あの時は、仕方なかった。
仕方なかったんだよ。
「…覚えてる?三年前のあの戦争を……」
「まぁ大体は…敵同士だったと聞いたが…?」
「うん…」
確かに好き好んでアレに乗ったんじゃない。
今思えば、守りたいものがあるから…
出会ったから…
こうして乗ってるのかもしれない。
「…もしかしたら俺は、誰かの運命で生きてるのかもしれない……」
「誰かのって……あっ!」
「キラ…?」
「ごめん…うぅ・・っ」