novel
□おもかげ
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似ているんだ…
輝かしい金色の髪…
空よりも澄んだ…碧色の瞳
そして…
何処か聞き覚えのある低い声
あの人に出会ってからずっと…
忘れてはならないあの人に…
似ているんだ…
おもかげ
「…レイ?」
気になって仕方ない。
そんな想いを胸に抱いたまま僕は、レイに声をかけた。
「……何だ?」
「あのっ…レイに聞きたい事があって……ちょっといいかな?」
「……」
緊迫とした静けさに思わずドキっとしてしまった。
何故だろう…
やっぱりあの人と重ねてるからかな?
忘れたくても忘れられない…あの人との闘い。
でも、何故かレイにあの人と重ねてしまう。
こうして瞳を閉じてみると、まるで僕の隣にあの人と居る感覚だ。
「…で、何の用だ?」
「あっごめん、その…レイはどうしてZAFTに入ったの?」
「何故そう言うことを聞く?」
「…何か理由があって入ったんでしょ?じゃなきゃここに居る意味っ」
その時、レイの顔色が一瞬にして重くなった。
とても思い詰めた感じが沸々と感じてくるように…