Devil Boy

□Devil Boy
2ページ/2ページ

バスでは梓が隣の席。
幸運なことに、梓がすでに恋をしている男の子はあたし達の席の後ろに座ってる。
バスが出発して1時間経つのに、梓はまだ緊張していた。


「ねぇ・・・ねぇ・・・絢。後ろにいる達也君が何してるか見てくれない??」
「イヤだよ。そんなの。誤解されちゃうじゃん。」
「お願い!!あたしは無理なの!!」
「ぇ〜。じゃあ一回だけだよ。」


あたしは体を回転させて、席と席の僅かな隙間から、後ろの様子を伺った。
けど・・・・・・
ん??
なんか暗くてよく見えない。
布で隙間がふさがれてるみたい。


「ふーん。覗きの趣味があったなんて、知らなかった。」
「っっ?!えぇ!?」


上を見上げたら、達也君がいた。
っていうか、先読みされてた?


「べっ別に覗こうとして覗いたわけじゃないわよ。」
「明らか覗きだったけど?絢チャン??」
「違うってば!・・・っていうか、なんで名前知ってるの??」
「バッカじゃねぇの、そこの鞄に名札つけてんの忘れたのかよ。」


ぅわ。。。
失敗。



「それはご丁寧にどうも。でも、あんたにバカと言われる筋合いはないけど??」
「口だけは上手いんだな。他はどうか知らねぇけど。」
「うぅ・・・・・・」



女の子のあたしより口がたつ。
なんか悔しい。


「バカ・アホ・ドヂ・マヌケ!!」


最後に一回叫んでやった。








しばらくして、おやつの時間になった。
さっきから、梓は、あたしと達也って人との事で謝りっぱなし・・・
別にあたしは気にしてないのに・・・


「本当にごめん・・・」
「いいよ梓。さっきからそう言ってるじゃん。ほら、おやつ食べよう!」
「ぅん・・・」


やっと謝らなくなった。
さっきのケンカの後、達也って人は黙りっぱなし。
あたしはもちろん梓のなぐさめ係。


元気を取り戻した梓と、お菓子パーティーをしようと、お菓子を取り出したんだけど・・・
またもや、不思議な現象が。
お菓子が手から消えた・・・


「あれっっ?!」
「どぅしたの??」
「お菓子がない!!手に持ってたはずなのに。」

座席の下をみたけど、転がってなかったし、
袋の中を見ても、無い。





ここまできて、気がついた。
原因はアイツしかいない。
アイツを見ると、案の定、手にはあたしのお菓子が。


「ちょっとっっっ!!あたしのお菓子返してよ!」
「やだね。」
「泥棒!!」


あたしが達也って人に飛び掛った。
けど、アイツはたやすくよける。
そして、あたしのお菓子を高々と掲げて言った。

「悔しかったら取ってみろよ。」

リーダーにバレたら怒られるけど、お菓子は取り戻したい。
あたしは密かに抵抗した。

あたしがジャンプすれば、それと同時にお菓子は持ち上げられる。
お菓子が下がれば、あたしも落ちる。


あたしがジャンプすれば、それと同時にお菓子は持ち上げられる。
お菓子が下がれば、あたしも落ちる。

何回か繰り返して思った。
アイツの手を止めればいいんだと。

意を決してアイツの腕に飛び掛ると、アイツはお菓子を離した。

「やったぁ!」

あたしがお菓子をキャッチして・・・
アイツがあたしのほっぺをつかんで・・・(?!?)


「お前のほっぺってやわらかいのな。」


アイツがニヤリと笑う。

そこまできて、あたしはまたもや気づいた。
アイツにハメられたっっ!!


しばらくあたしのほっぺを弄んだ後、アイツは手を離した。
もちろん抵抗をしたけれど、アイツの腕とあたしの腕の長さと力の強さには、差がありすぎた。
アイツのほっぺに、あたしの手は届かなかった。


「あんた最低ッッ!!あたしの生きてきた中で、あんたが一番最悪!!」
「そりゃぁどぅも。」

お巡りさん!!ココに指名手配中の凶悪犯がいます!!(←嘘だけど)
誰かコイツをどうにかしてよ!

――――――――――――
このお話は、水恋鳥が中学生の時に、実体験を元にして書きました…文才は、昔も今も変わりなく無いのですが、せっかく書いていたものなのでUPしました。長編になる予定だったのですが、続きのシナリオを忘れ、時間も随分経ってしまったので更新はできないと判断し、1話完結とさせていただきます。
ありがとうございました。

←TOPに戻る

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ