Devil Boy

□Devil Boy
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「あんた最低ッッ!!あたしの生きてきた中で、あんたが一番最悪!!」
「そりゃぁどぅも。」

お巡りさん!!ココに指名手配中の凶悪犯がいます!!(←嘘だけど)
誰かコイツをどうにかしてよ!

あたしは今、すんごく困ってる。
なんでかっていうと、超超最悪なヤツがあたしにいぢわるをするから。
たった2時間で何回泣きたくなったと思う??

何事にも安全で平和な道を選ぶあたしが、我慢しきれなくなるくらいの男ってどうよ??








事の起こりは1ヶ月・・・



秋も終わりに近づき、山の色は茶一色に染まった頃。

あたしは、小学生の頃に毎年参加していたスキーキャンプに、久しぶりに参加した。
今は高校1年生で、スキーキャンプに行く気はさらさら無かったんだけど、お母さんに薦められたから。

「絢、このスキーキャンプ、久しぶりに参加してみたら?」

お母さんはなぜだか、とても嬉しそうだった。
自分が行くわけでもないのにと、不思議だった。

「・・・・・・ぅーん・・・でも、冬休みは友達と遊ぶかもしれないし。」
「まさか、絢が友達と遊ぶわけないでしょ?!」
「失礼な!あたしだって友達と遊ぶわよ。」
「でも、スキーの方が楽しそうよ?それに、前に『スキー一回やってみたい』って言ってたのは絢でしょ。」
「それはそうだけど・・・・・」
「行ったらきっと楽しいって。行ってきたら?」
「・・・・・・ぅん。わかった。」

お母さんは、あまり乗り気じゃないあたしを、スキーキャンプに連れ出すことに成功した。






スキーキャンプ当日・・・


集合場所には、20人ほどの高校生が集まっていた。
皆、初対面らしくって、ひたすら黙りこくっていたけど、あたしはその中に親友の『梓』を見つけた。

「・・・・・・っ?!梓!!」
「絢?!キャーびっくりしたぁ。すっごい偶然!絢がいてよかったぁ!!」
「あたしも梓がいてくれてよかったよ・・・知らない子ばっかりで、どうしようかと思った。」
「そうだよね〜。あっそういえば、あそこにカッコイイ子がいるんだけどさぁ・・・」
「え〜さっそく見つけちゃったわけ??梓には彼氏がいるのに・・・」


梓が視線を送っている先には、お母さんと言い合う男の子がいた。

「ったく。なんてスキーキャンプに来なきゃいけねぇんだよ。」
「あ〜ぁ。達也。せっかくいい情報があるのになぁ。」
「・・・なんだよ。」

確かに男の子はカッコよかった。
ハーフっぽいっていうか、端正な顔立ちのせいで、一見天使にも見える。
背も165cmある梓より高くて、180cmくらいありそう。
ふと横を見ると、梓が見とれている。

でも、お母さんとの間に、なんだか意味ありげ。
不意に、男の子のお母さんが内緒話を始めた。

「コショコショコショ・・・・・・」
「・・・・・・///」
「まぁ、せいぜい頑張りなさい。あーどうなるか楽しみ♪」
「ふざけんなよ!母さんの思い通りにはならねぇよ!!」
「あらあら、強がっちゃって。・・・・・・」

なんか、本当に意味ありげ!!

男の子のお母さんは、話し終えるとあたしの視線に気づき、手を振った。
とっさにあたしも手を振りかえした。
気づけば、隣の梓も手を振っていた。

「あ〜ぁ。男の子もカッコイイけど、お母様も美人だよね・・・」

梓の意識はどっかに飛んでっちゃったみたい。

あたしの親友の梓には彼氏がいるんだけど、本人曰く、彼氏がいても、カッコイイ男の子はチェックするべきなんだって。
あたしはというと、彼氏いない歴16年。
それもこれも、お父さんとお母さんのせい(だと思う。)
近寄ってくる男の子に対して牙をむく。
こんな非協力的な親を持って、毎日苦労してます。






梓がボケーっとしている間に、キャンプのリーダーらしき人がやってきた。
そして、リーダーに誘導されて、あたしたちはバスに乗り込んだ。
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