捧げ物・頂き物(本)
□笑顔の訳
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「も〜、昌浩ってばとろいんだから〜」
「とろいわけじゃないよ…」
「………」
今日は珍しく我と太陰が昌浩の夜警に同行したのだが、先ほど恒例の【一日一潰れ】というものが起こった。
我は事前に気配を読み取り避けたが、昌浩はものの見事に潰された。
それを太陰に何度となく言われているわけだが―――
太陰があまりにも何度も言うものだから、正直どうでもよくなってきた。
太陰も人のことは言えないと、我は思う。
先ほども…――――
「毎日、夜警してて飽きないわけ〜?」
「飽きる飽きないって問題じゃないよ、太陰」
それはそうだ。
まぁ、太陰の基準ではそうなのだろうな。
「毎日、毎日、よくやるわね〜」
そんな時だった。
太陰が怨霊を見つけてしまったのだ。
「あ〜!怨霊〜!!」
昌浩と我が止める前に向かっていってしまった。
これは不味い事になりそうだ―――