庭球:CP


□壊れる程
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―時々、オレはこの躰が焦がれるような想いで一杯になって、アキラを滅茶苦茶に壊したい。
そんなことを、願ってしまう。



―壊れる程―



「橘さんがさー、」
楽しそうに話してるアキラ。
その隣にいるのは、この上ない幸せなのに、オレは時々、どうしようもないくらい、狂ったような感情に支配されそうになる。
アキラを、滅茶苦茶に壊したい。
隣で、オレじゃない別の誰かの話をして笑ってるアキラを。

嫉妬。
そんな感情、無縁だったし、支配されそうになるなんて有り得なかったのに。

アキラ。

アキラだけが、“特別”で。
知らなかった、知る筈も必要もなかった感情が、オレの中で暴れるようになってく。

嫉妬。
恋愛感情。

全部、アキラだけのモノ。
なのに、アキラはオレのモノじゃない。



―アキラが大切。
だから、アキラを滅茶苦茶にしてやりたい。
滅茶苦茶にして、オレだけのモノにしたい―…

壊れてる。
壊れる程、愛してる。



だから、オレはアキラを壊す代わりに、そっとアキラに口付けた。



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