小説【短編】

□拍手
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【ふうせんかづら】


『あなたとともに』



余の周りは、いつも他人だらけだった。余の顔色を伺う者、余の意見に賛成しかしない者、皆余を見ようともしない者ばかりだった。


それが、紅 秀麗(かのじょ)に出逢い余の周りが色鮮やかに輝きだした。

紅 秀麗(かのじょ)に出逢ってから、余には大切な者達(たからもの)が増えたように思う。


彼等が笑い、余を怒る度、余は嬉しくなるのだ。

余は独りではないと、笑顔が怒声が余に教えてくれるのだ。


それでも時々不安になってしまう。幸せだった時が突如として壊される恐怖を余は知っているから…。

そんな不安からか眠れずに、一人夜空を眺めていた。その翌日兄上(せいらん)から貰った“ふうせんかづら”の鉢植え。それは余に勇気と自信を与えてくれた。



兄上。兄上(あなた)が愛した女性が紅 秀麗(かのじょ)ならば私は…ーー。


end



『ふうせんかづら』の花言葉は『あなたとともに』です。一人思い悩む劉輝に静蘭は、言葉ではなく態度(?)で思いを伝えます『お前は一人ではない』と。
それだけでも良かったのですが、私の好きな切なさをいれてみました。…不要だったらすみません(ノ_・。)
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