小説【短編】

□黎深の短編小説集
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黎深の決意

ある日、黎深は気付いてしまった。本当に憎い…もとい“羨ましい”存在(立場)なのは王(紫 劉輝)でも、茶 朔洵でも、藍 楸瑛でも、李 絳攸でも、ないということに。

そう、それはまさしく“静蘭”!!幼いころから邵兄上と秀麗とともに過ごし、二人から絶大な信頼を持つ男。

あまつさえ、邵兄上とともに出仕し…。

あまつさえ、邵兄上と秀麗お手製のお昼を食べ…。

あまつさえ、邵兄上に茶州へ行くにあたり秀麗を任され…。

あまつさえ、雷が鳴れば秀麗に抱きつかれ…。

あまつさえ、秀麗が泣きたい時には胸を貸し…。

あまつさえ、秀麗とともに茶州に赴き…。

あまつさえ、あまつさえ、あまつさえ、あまつさえ…………。
考えれば考える程、黎深は静蘭が憎い…もとい“羨ましく”思えた。そして、胸に誓うのであった。『いつか必ず自分と静蘭の立場を入れ替えてやる!!』と…。

そんな黎深の考えを知ってか知らずか、静蘭は邵可と秀麗と更に深い信頼関係を築き上げていくのであった。

end
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