小説【短編】
□枯れ蕾
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「…ここは、何処だ?」
朝廷随一の才人とうたわれ、吏部の侍郎を勤める李 絳攸。只今、迷子…改め遭難中。
「…ん?なんだ、こんな時間に女官か?」
暗闇のせいでよく見えないが、木の下に何やら人影のようなものが見えた。それは音もなく、身動きさえもしなかった。絳攸の脳裏にいつぞやの幽霊話が思い出されたが、何故だか気になった絳攸は“それ”に声をかけることにした。
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