小説【短編】

□結ばれたのに…
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彩雲国国王、紫劉輝は悩んでいた。愛しい秀麗と晴れて結ばれ早くも三月が経った。劉輝は当初から変わらず秀麗に構って欲しくて甘えてばかりであった。片や秀麗は自身の仕事をこなしつつ甘える恋人を微笑ましく思っていた。

しかし、最近の秀麗はやたら楸瑛や絳攸と一緒にいるのだ。それも自分には何かを隠して…。秀麗が師である絳攸と一緒にいるのはまだ頷けるものの、楸瑛といるのには納得のいかない劉輝であった。どうにも気になり腹心二人を問い詰めるも、あっさり流され何も聞けずにいた。秀麗に直接聞こうと思い意気込んで何度も彼女のもとへ行くものの、なぜか邪魔が入ったり彼女が不在だったりと劉輝は秀麗に会えなかった。
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