小説

□夏祭り
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たまたま寄った小さな町でやっていたお祭り。


夕暮れ時、適当に出店を見てまわっていると思い出すのは故郷での祭り。

毎年夏に行われるそれに、幼馴染のサトシと一緒にハナコさんが作ってくれる浴衣を着て出かけていた。





「綿菓子ください!!」

ふと声のする方を見ると、5歳くらいの男の子が綿菓子屋の前にいる。
小遣いでもらったのであろう100円玉を持って。
綿菓子と交換してありがとうと言い、嬉しそうにかけて行く姿はまるであのときのサトシのようで、思わず微笑んでしまう。


そういえば、あのときはお金が足りなくて一緒に買って半分にしたんだっけ。
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