【短】物語

□闇とロボット【完結】
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【プロローグ】







「ガシャン!ガシャーン」

 
 




 稼働する。





 まずは指先。次に足先が稼動を始める。考えられる

全ての行動パターンを完璧にシュミレートする。完全

稼働まで、さして時間は必要ではない。後頭部に搭載

された超高性能CPUは瞬時に電気信号を各所に送り

届ける。完全稼働はもはや目前。全ての間接と神経回

路に電気信号を張り巡らす。






完璧だ。






ミスなど皆無。







超高性能CPUの演算処理能力は超光速で正確無比な

のだ。CPUは搭載された無尽蔵の核エネルギーを全

身に行き渡らせる。 






 鋭角で繊細なメタリックのボディの一角が、淡い輝きを放った。











−−−−−閃光。



−−−−−爆音。



−−−−−静寂。



−−−−−僕は圧倒的な存在感で地上に在った。



−−−−−そして。



−−−−−僕はこの世界から完全に乖離していた。



−−−−−そう、僕はロボットだったのだ。








 僕の目覚めにより日本の約80%は壊滅したことだろう。





【意味のない舞台。間章】


 ここで知っておいてもらいたい事は、彼は必ずし

も、わざと日本を壊滅させたのではないということ。

そして彼は今の今まで、闇しか知らなかったというこ

とだ。これからも彼は苦悩し、闇と戦い、世界を破壊

するだろう。しかし、どうか彼を最後まで見ていてや

ってほしい。
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